真顔日記

上田啓太のブログ

運命の浪費

夕方、コンビニでアイスコーヒー。例のごとくマシンの前で抽出を待つ。となりのマシンでは先にいた小太りの男がフラッペを作っていた。しかし私のアイスコーヒーのほうが時間はかからないから、結果として、私のマシンと男のマシンが同時にピーッと完成を告げた。美しく重なる二つの音。なんなんだ、この無意味な偶然は。照れちゃうよ。

男のマシンの側にストローやフタの棚があったため、その後しばらく、二人の男が言葉もかわさず気をつかいあって、互いの位置どりを模索することに。気まずさと照れくささの混じりあった奇妙な空間。あたふたした。

こういうの、奇跡の浪費だよなと思う。運命のむだづかい。へんなところで偶然の出会いを演出するな。

世界の運命の総量が一定だとすれば、このせいで結ばれなかったカップルとか出てくるんだろうな。あと一本バスがちがっていたら出会えたはずの二人が、とくに出会うこともなく、二人の人生が重なりあうこともなく、淡々とそのまま続いていく。かわりにコンビニの店内で奇跡のように重なりあう電子音。ごめんよ。彼とはその後何もなかったよ。