真顔日記

上田啓太のブログ

エヴァと杉松

午前十一時起床。夜に短い散歩をした。涼しくなっている。この夜風を待っていた。

この数日で、エヴァンゲリオンの新劇場版四部作を一気にみた。世代的には通っていてもおかしくないのだが、まったくみていなかった。みてみると面白かった。同時に、最後までみても疑問符が大量に残ったままだった。だれかと語り合いたくなる作品だということがよく分かった。状況に関する説明がものすごく少ないのだが、映像の吸引力は異様に高いため、必死で物語に食らいついていきたくなる。

あわてて杉松に電話した。杉松は最初のテレビシリーズをリアルタイムでみていて、その後の旧劇場版、新劇場版の序、破、Q、さらにシンエヴァまで、すべて公開時に映画館に行っている。私が杉松の家に住みついていた頃、ちょうどQが公開されて、会社の友だちとみにいくんだとキャッキャしていたのも覚えている。新劇場版四部作を一気にみたことを報告した。

「まあ、ほんとはテレビシリーズから順を追ってみるべきなんだけどね」

開口一番、そんなふうにカマされた。

その後、質疑応答。物語上の設定について、ウィキペディアなどで個人的に補完した情報までふくめて、この解釈で合っているのかと色々たずねた。「わたし庵野じゃないから知らない」と連発された。結局、謎がたくさん残ったままシンエヴァが終ってしまった気がするんだが、そのへんはどうなのか、と聞いてみると、

「こちとらQから八年待たされてんだ!」

と、べらんめえ口調で絶叫された。

「アマプラで一気に最後までみた奴とは違うんだよ! とにかく無事に終ったことに拍手なんだよ! 友だちとQみた後の帰り道、お通夜みたいだったからね! 無言でとぼとぼ歩いてたからね! そっから八年だよ! 時間の重みを実感してよ! こまかいことでゴタゴタ言うんじゃないよ!」

ゴタゴタ言うのはやめよう、と思った。

とりあえず、近いうちにもう一度みてみる。

その後、雑談に流れた。最近の若手女優の話題になったが、二人とも詳しくないため、「永野芽郁という子がおんねん」「おるなあ」「おんねん」「おるなあ」「おんねん」「おるなあ」と、まったく情報量の増えていかないトークが展開された。中年期をむかえた人間が旬の芸能人の話題をするものではない。何も足されていかない。トークが雪だるま式にふくらんでいかない。坂道をコロコロ転がりながら、雪玉はいつまでも小さなまま。ネコの近況をきいて寝た。