日記らしい日記を書きはじめて、一週間とすこしが経過した。これはこれで面白い。その日認識したものに、さっと最低限の手を加えて文章にしていく。当たり前に作る日々の料理といった感じだ。一回の字数は500字前後に落ち着きそうだが、今後どうなるか。
とりあえず、日常的に作文をしてそれを公開する、公に開く、公共の場に置いていくことは、精神の健康によいと感じる。自分の健康のためにもがんばろう。
もっとも、昨日の日記で突発的にキンタマの話をしてしまったため、キンタマをさっと料理して公共の場に出すなよ、という話にもなるのだが。公に向けてジッパーを開くな。
午後に外出。川べりの道を散歩した。向こうから歩いてきた初老の男が右手にネコじゃらしを持っていた。しわの刻まれた険しい顔だちと、ぷらぷら揺れるネコじゃらしのギャップに心がなごんだ。ネコを飼っているのか、孫にあげるのか、それとも純粋にネコじゃらしという植物を偏愛しているのか。謎を抱えたまま無言ですれ違った。
すこし歩くと草むらにネコじゃらしが群生していた。とりあえず入手元は判明した。ネコじゃらしは風に吹かれて揺れていた。その動きを見つめていても、とくに私の身体は反応しなかった。反射的に右手を出してしまうことがない。私はネコではないのだろう。
一本引き抜いて散歩を再開した。しかし、すぐに持てあまして草むらに置いた。川べりの道を歩くことは好きだ。ネコじゃらしを握りしめた老人がいる。他に認識したものは、川をおよぐカルガモのくちばしの黄色。