真顔日記

上田啓太のブログ

「アルティメット」というスポーツがあるらしい

大学時代、知り合いが「アルティメット」という競技をやっていた。どんな競技かは知らない。詳しく聞いたわけでもない。

「おまえ、何のサークル?」
「俺、アルティメット」

それ以上の記憶がない。「そういう競技があるんだ」と言われて、「へえ」と答えて、会話は終わった。しかし、ずっと記憶に残っている。たまに寝る前に思い出してしまう。ちゃんと内容を聞いておけばよかった。アルティメットとは何なのか。一体、どんなスポーツなのか。

とにかく名前だけでものすごそうである。私のイメージだと、一試合で五人は死んでいる。なんたってアルティメットなのである。究極なのである。

フィールドの各地に地雷が埋まっていて、それをかわしながらやる競技なんじゃないか。地雷をかわしつつ、相手のゴールにボールを投げる。いや、ボールではなく手榴弾かもしれない。ちなみに反則行為は即座に射殺。なんたって、アルティメットなんだから。

ウィキペディアで調べてみたところ、ボールのかわりにフリスビーを使う競技のようだ。バスケとアメフトを合わせたような競技とも書いてある。とくに人は死なないようだ。爆発もしない。炎上もしない。戦車の乗り入れも不可のようだ。そんなの、ぜんぜんアルティメットじゃない!

ウィキペディアに書かれたのは仮の姿で、本当は、フリスビーの縁からナイフが飛び出して大型の手裏剣になる競技じゃないのか。というか、なってほしいだけだが。アルティメットという単語から勝手に妄想してしまうこちらが悪いのか(たぶんそうです)。

むかし、野球をよく知らない女子が、「犠牲バント」という言葉をきいて、「おおげさ」と切り捨てていた。そのことを思い出した。言われてみれば、たしかにおおげさである。犠牲という言葉は、その実態と比べて、あまりに強く響く。戦争か。戦争なのか。お国のために尊い命が失われたのか。

もっとも、どう言い換ればいいのかは、よくわからない。「生けにえバント」とかか。もっとおおげさか。結局、だれかが死んでいる。

監督から生けにえバントの指示が出れば、もう帰ってこれないと思うだろう。監督は、僕の命を悪魔にささげて、一塁ランナーを二塁まで進めるつもりなんだ。たしかにこれはゲームの山場。勝敗の境目はここにある。しかしそのために、僕を生けにえにするなんて。結局、二番打者なんてものは、生けにえに捧げられる運命なのか。

ああ、ネクストバッターズサークルが、魔法陣に見える。