真顔日記

上田啓太のブログ

『フリースタイルな僧侶たち』に寄稿した

『フリースタイルな僧侶たち』vol.59に日記を書いた。全国で配布しているフリーペーパーで、公式サイトからPDFの無料ダウンロードも可能。原稿を書いたのが真夏だったので、やたらと暑いと言っている。今は寒い。

特集タイトルは「ひとり」で、ひとりと言えば上田というふうに連想して依頼を頂けたようだ。日記は2週間分で5000字。人間はほとんど出てこない。ズームの向こう側にしか人間が存在していない。顔がピクセルで分割されている。

ぜひ読んでください。

f:id:premier_amour:20211204012515p:plain

こんな感じで4ページある

配布場所:フリースタイルな僧侶たちのフリーペーパーを入手するには?|フリースタイルな僧侶たち

ウェブで読む:vol.59 ひとり|フリースタイルな僧侶たち

日記らしい日記は一段落

午前九時起床。午後に外出。近所の服屋の前を通りすぎると墨汁のにおいがした。なぜ?

日記らしい日記を書きはじめて一ヶ月と十日が過ぎた。今回の日記を入れて合計31本。ちょうど一ヶ月分の日数になった。ちょこちょこと空いた日もありつつ、ほとんど毎日更新できた。この方式だと一回500字前後になるようだ。

しかし、もう少し間を空けて長いものを書くほうがやっぱり性に合ってるな、というのと、「午前九時起床」というふうに書きはじめると「いや知らねェよ」と反射的に思ってしまう自分がずっといることに気づいたので、そろそろ一区切り付けようと思う。精神構造として、自分は日記らしい日記に向いてないようだ。

ということで、今のやりかたは九月末の今日でおしまい。読んでくれた人ありがとう。

ニューバランス

午後、川向こうのスタバに行った。カウンター前に並んだ二人の客が両方ともニューバランスを履いていて、N、N、N、Nというふうに、四つのNが床近くに並んでいた。しばらくすると客はそれぞれ注文を終えて、四つのNも二手に分かれた。

あざやかな緑色のニットを着た女がいて、スタバのストローと韻を踏んでいた。ガラスごしに外のテラス席を見ると、中年の男、女、犬が当たり前のように座っていて、思わず二度見した。違和感をスルーした直後、すぐに違和感として気づく瞬間は面白い。毛むくじゃらの大型犬で、舌を出して椅子に座っていた。ドリンクは飲んでいなかった。

近くの席の子どもは、鉄塊でも入っているかのような重そうな青いリュックサックを背負っていて、それをイスの背もたれに引っかけようと頑張っていた。肩掛けの片方をうまく引っかけて、無事にリュックサックの位置を安定させると、先にレジへ向かっていた母親のもとへ走っていった。リュックサックには三匹のゾウの絵が描かれていた。

しばらくすると、青いシャツをきた彫りの深い老人がやってきた。老人の右うでに走る青黒い血管を視線でなぞる。ひじから始まり、薬指の途中で終った。

店を出ると、川べりの道を歩いて帰った。向こう岸にある中学校からブラスバンド部の太鼓の音がきこえた。すき家に寄って、ねぎ塩レモン牛丼を食べた。店内にはT.M.レボリューションの『HOT LIMIT』をジャズ調にアレンジしたものが流れていた。「ダイスケ的にもオールオッケー」のメロディを優雅にサックスで吹かれた時の気持ちには、まだ名前が付けられていない。

ブログのアーカイブ販売に関する説明ページを作った。ずいぶん前から作らなきゃ作らなきゃと思いつつ、後回しになっていた。あわせて過去の寄稿記事をまとめたページも微調整して再公開した。

アーカイブ販売について
上田啓太寄稿記事まとめ

パズルゲームの連鎖の快感

前に書いたTwo Dotsを相変わらず進めている。iPadのパズルゲームで、簡単に言えば画面をタッチして同じ色のドットをつなげていくだけのゲームなのだけど、レベルが上がるにつれて色々な要素が増えていって、自分がドットをつなげた後、しばらく連鎖的にドットが次々と勝手につながっていくのをボンヤリ見つめている時間が増えてきた。

しかし、それが気持ちよい。ゲームには連鎖の快感というものが明確にある。連鎖を見つめているだけで歓びを得られる。これは何なんだろう。指のひとふりで次々と反応が起こることに、脳が歓喜の声をあげている。なに? 神の歓び?

しかしこのゲーム、頭を使っているようで使っていないというか、考えなくてもそれはそれでクリアできることがあるという、奇妙なプレイの感触だ。自分の力で解けたのか、偶然の連鎖が重なって運よくクリアできたのか、いまいち判断できない。

半年前、Slay the Spireというゲームをしていたのだけど、これはシビアに頭を使うゲームだった。もちろん運の要素もあったのだけど、技術とランダム性のバランスは技術に寄っていたと思う。しかしTwo Dotsはランダム性の要素が大きく、そのぶん疲れていてもプレイできる。

たまに、これはもう解くのは無理だろうとあきらめて投げやりに指を動かしたら、あれよあれよという間にドットの連鎖が始まって、チャララララ〜ン! クリア〜! みたいになることがある。それをポカーンと見つめている自分がいる。神さまもこんな感じだったんだろうか。適当に指をふって生命を誕生させたら、あれよあれよという間に多種多様な造形の生きものがウヨウヨと動きだして、いまじゃ地球のあちこちを徘徊しているよキモ〜、みたいな。

そんな神さまはイヤだな。

結局、レベル780付近まで遊んだところで、Two Dotsは停滞中。再開するかは微妙なところ。レベルは3000以上ある。先は長い。神さまは宇宙に飽きたんじゃないかな。

ブルゾンちえみ

午後、例のごとくコンビニでアイスコーヒー。しかしこの日記、コンビニでコーヒー買ってばっかりだ。日記らしい日記を書くと自分の生活の単調がまるはだかになる。今日は、コーヒーの抽出を待つあいだ、腕をくんで右手の中指で左腕のひじの骨をトントンとたたく癖があると自覚した。

夜、ビールを飲みながらYoutubeを漂流。関連動画から関連動画へと、さんざん流れに流されて、最後はブルゾンちえみに辿りつく。ブレイク当時のキャリアウーマンのネタ。久しぶりにみたブルゾンちえみは、なんだかむちゃくちゃ面白かった。冒頭の「どうも、キャリアウーマンです」からすでに面白く、最後の「35億」で転げるように笑いに笑った。静かな部屋に反響する自分の朗らかな笑い声。直方体の部屋はまた、笑い声がひびくひびく。

むなしい。

「どうも、キャリアウーマンです」って、おそろしく抽象的な自己紹介だ。高度にアホらしい。