隣の客に教えてあげたくなる
2011/11/11
スタバでとなりの席に男二人組がすわっていたのですが、片方が店内のBGMに反応して「これ誰だっけなー」と言っておるのです。「よく流れてるんだよねー、誰だっけなー」と。
もう片方はそれにたいして「さあ」みたいな薄いリアクションを返すだけで、まったく男の疑問は解決されておらんのです。
私はこの曲が誰なのか知っておるのです。
エンヤなんです、エンヤ。このホワホワした曲はエンヤ、そんなにマイナーな人でもないと思うんです。
片方の男はあいかわらず「よく耳にするんだよなー、この曲」とつぶやいていて、もう一人は「うん」とか、明らかにどうでもよさそうに、俺に聞くんじゃねえよって態度で、目の前のサンドイッチを食べておるのです。
それが私には腹立たしい。
ここに、あなたたちの隣に、答えを手にした男が座っているんですよ。私に話をふってくだされば、即座に解答を提示してさしあげます。
たしかに私はコーヒーを飲みながら素知らぬ顔をしている。あなたがたの会話なんてまったく聞こえてないようなふりをしておる。けれど、本当は聞いていたんです。こっそり聞いていたんです。頭のなかで何度もエンヤと連呼しておるのですよ。エンヤという三文字が、喉の奥から飛び出すときを、いまかいまかと待っておるのです。
だけど結局、言い出せない。
二人組は別の話題に移行してゆく。
こんなときどうすればいいんだろう。「これエンヤですよ」って言ってしまっていいのだろうか? となりの席にいる赤の他人から、唐突にそんなことを言われたら、気味が悪いのではないか? もちろん私は百パーセント善意で言っている。しかし、それでも、唐突に第三者が話しかけてきたら、気持ち悪いし、「こいつ話聞いてたんだ……」という感想を抱くのではないか。
だからここに書いておく。手紙の入ったビンを海に流すようなきもちで、ここに書いておくのです。スタバで流れていたあのBGMはエンヤ。いつかあの人がこのブログを見て、「あのときの曲はエンヤだったんだ!」と理解できるように、書いておくのです。どうかよろしくお願いいたします。
それから、このあいだ定食屋にいた四人組、とくにそのうちの一人、店内に流れてるインストのJ-POPについて聞かれて「東京事変だよ、曲名は分かんないけど」と言ってたお兄さん。あれ、東京事変じゃなくてチャットモンチーです。曲名どころかアーティストから間違えてます。
残りの三人、「へえー」みたいな顔してましたけど、あの知識間違ってますから。アーティストから間違ってますから。人を疑うことを覚えてください。これもその場で言い出せなかったので記録しておきます。素知らぬ顔で定食を食べてましたが心のなかは訂正してあげたい気持ちでいっぱいでした。
うん、わかってきた。
やっぱりこれ気持ち悪いな。
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28 イイゼ! 





