真顔日記

上田啓太のブログ

突然、ネコはチンピラの顔をする

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かわいいと思って油断していると、突如、チンピラの顔をする。それがネコという生き物である。肉食動物としての根っこが出ると言えばいいのか、透明感で売る女優がのぞかせる元ヤンとしての素顔と言えばいいのか。とにかくネコと暮らしていると、唐突にチンピラの顔をされて驚くことがある。

あるとき、初音が玄関で私のコンバースをいじくっていた。ひもがあるのが面白いんだろう。私のコンバースは定期的にネコたちに蹂躙される。コンバースをクッションにして寝ることもあれば、ひもを噛んでいることもある。私も慣れたものだから、好きにしなさいという態度で写真を撮っていた。

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その後、別のネコもやってきた。ヒモで遊ぶのはやめて、二匹でのんびりとしていた。牧歌的な光景がそこにはあった。私はそのまま写真を撮り続けていた。しかし次の瞬間、何のまえぶれもなくチンピラが登場した。

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これだ。これが唐突に出てくるチンピラである。何の伏線もない。

どのあたりにチンピラ感があるのか。黒目が小さくなる。口が開いて細かい歯が見える。顔が長くなるのも大きいんだろう。ヒョウやトラもネコ科なんだと思い出す。内に秘めたるチンピラの素顔。

とくに、この初音というネコは、普段は目もクリクリしており、飼い主が言うほど馬鹿なこともないが、かわいいネコなのである。他のネコたちとくらべても目がまるく、体型もギュムッと縮んだかんじ。それが半年に一度くらいの頻度で、チンピラとしての素顔をみせる。カナブンくらい余裕で食べまっせ、という顔になる。カメラがそれをおさめる。

ネコには、チンピラとしての側面を見せないようにしようという自意識がない。そのため、チンピラ化は常に唐突である。そして何事もなかったかのように、スムーズにふだんの顔にもどる。それがネコという生き物であり、そして飼い主というのは、そのギャップにいちいち興奮する生き物なんだろう。

その後、二匹はコンバースの上で遊びはじめた。テンションが上がったのか、最後はもみくちゃになっていた。こうなると、私のコンバースはただの闘技場である。あっさりと、バトルフィールドとして扱われてしまう。履き物なのに。

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こういうときはチンピラにならない。不思議だ。首筋に噛みつかれているのに、ぬいぐるみのような顔のまま。なんの感情も見てとれない。今こそ、チンピラになるべきじゃないかと思うが。「なに噛んどんじゃワレ」という顔をしろ。私はあの顔を知っている。