真顔日記

上田啓太のブログ

いまどきジャンパーと言うか

去年の冬の終わり、「このジャンパーも片付けよう」と言って、杉松に爆笑された。ゲラゲラ笑うという表現がぴったりくる爆発的な笑いだった。「ジャンパー! ジャンパーって! 古いよ、おっさんだよ!」と勝手に盛り上がっていた。

私はムキになって、「なんだよ、じゃあブルゾンか?」と言ったんだが、この発言が火に油をそそぐ結果となった。「それもおっさんだよ!」とのことである。もがけばもがくほど泥沼にはまりこんでいく。ちなみに、ジャンパーおよびブルゾンを、現代の人間として恥ずかしくない形で表現するならば、「アウター」らしいです。

ジャンパーという言葉に、危険性を感じてはいた。この言葉が地雷である可能性は察知していた。地面がモコッとしていた。踏めば爆発するかもしれないと思っていた。しかし私は他の言葉を知らなかった。おそるおそる踏んでみたら爆発した。もっとも、ブルゾンも地雷だとは知らなかった。右足で爆発、左足で爆発だ。とにかくファッション周辺の言葉は地雷だらけだ。それを扱うには、流行の微細な変化になめらかにふれる技術がいる。

私も昔、カップルのことを「アベック」と言うおっさんおばはんを笑っていたから、過去の自分に復讐されているということだろうか。アベックを笑う者は、やがてジャンパーで笑われる。こうして連鎖していくのか。

そういえば、先日 ZARA のサイトを見ていたら普通にブルゾンと書いてあったんだが、あれはなんなのか。ブルゾンは別にいいんじゃないのか。

それとも、平気でジャンパーと言ってしまうような男の言うブルゾンは駄目ということか? つまり、ブルゾン自体は現役のことばなんだが、ジャンパーとセットで口にした時のみ、ダサくなる。遊戯王ふうに言うならば、ジャンパーが場に召喚された状態で、新たにブルゾンを召喚した場合のみ、特殊効果「ダサい」が発動。

というか、すぐ遊戯王ふうに言おうとするところがダメなのか?

ジャンパーについて、もう少し書こう。世間的には死んだ言葉かもしれないが、私の中では元気にしているからだ。私がジャンパーという言葉と出会ったのは子供のころ、『ジャンパーソン』という特撮ヒーロー番組においてだった。これは、それほどメジャーなものでもなさそうだ。同年代のごく一部の人間しか知らないかもしれない。私もすでに内容を忘れていた。

ネットで調べたところ、1993年に一年間だけ放映されていたようだ。説明によれば、ジャンパーソンは、たまにジャンパーを着て戦うらしい。いつも着ろよ、と思った。名前に冠しておいて気まぐれで着るな。名乗る以上はジャンパーという言葉に責任を持て。

ジャンパーというか、ジャンパーソンの話になっている。終了。