真顔日記

上田啓太のブログ

チューリップのサボテンの花

一年ほど前に『岬めぐり』という曲のことを書いたんだが、それ以降、けっこうな数の人が曲名で検索してこのブログに来ている。昭和の曲だから、あまりネットに情報がなかったのかもしれない。私のブログにまともな情報はないがいいのか。そんな心配をしながらアクセス解析を見ている。

このあいだは、濁点を忘れている人がいた。「岬めくり」で検索してきていた。それで一人でウケていた。カルタのように気軽に岬をめくる。だいだらぼっちの発想ですね。

私がリアルタイムできいた音楽は90年代以降のものだが、中学生のころに家にあった昭和名曲集とかいう十五枚組のCDを聴いていたから、80年代以前の曲もわりと知っている。古い流行歌には特有の楽しさがあって、それは一人のアーティスト(たとえばaiko)を熱心に聴く体験とはすこしちがう。それぞれの歌手の個性にふれるというよりは、もうすこし大きな何かにふれるという感じだろうか。

早朝に居間でランダムに流すことが多い。心の準備なしにフッと耳にすることで、あらためて曲の良さを知る。流行歌は不意打ちでこそ生きるものなのである。今日は、不意打ちで聴いた『サボテンの花』(1975)がすごく良かった。「ほんの小さな出来事に愛は傷ついて」という歌い出しの曲。

あわせて口ずさんでいると、化粧中の同居女性にきかれた。

「これなんて曲?」

「チューリップのサボテンの花」と私は言った。

「は?」と女性は言った。

それで気づいたが、「チューリップのサボテンの花」というフレーズは無駄にややこしい。要するに、チューリップというグループのサボテンの花という曲なんだが、音声にしてみると支離滅裂で、馬鹿が寝言をほざいた印象になる。

「結局なにが咲いてんのよ?」

鏡に向かって、化粧したまま言われた。たぶん、咲いてるのはサボテン。

今後、この曲を説明するときは気をつけようと思った。そんな機会があるのかは知らんが。チューリップのサボテンの花。「クフ王の仁徳天皇の墓」みたいな感じ。ピラミッドなのか古墳なのか。