真顔日記

上田啓太のブログ

動物の鳴き声番付2016冬

動物の鳴き声にも色々ある。今日はどの鳴き声が好きかを考えていた。

パオーンはかなり良いと思った。好きな鳴き声という言葉から即座に連想されたのはパオーンだった。ゾウという動物自体には思い入れがないのに、パオーンだけは特別だ。パピプペポが入っているからだろうか。とにかく私はパピプペポのひびきに弱いから。

ネコの鳴き声は多様である。人間がネコのことをよく考えているから、いろいろな表記が生まれているんだろう。犬も同様である。ゾウにあまり鳴き声の表記がないのは、日本人の生活にゾウが入りこんでいないからか。

ネコの鳴き声を具体的に見ていくと、ニャーはもはや日常だろう。ニャンはあざとさが強くて好みでない。にゃむ、の長老っぽさは良いかもしれない。ニー、は子ネコっぽさが良い。ニャッ、は歯切れのよさが好み。にゃんにゃん、は明確に嫌いである。あざとい。

イヌの場合、ワンワン、ワン、バウッ、あたりか。私はワオーンを推したい。これは月夜に屋根の上で吠えるときの鳴き声だと認識している。実際に見たことはないが。くぅ~ん、は好きである。にゃんにゃんは嫌いなのに、くぅ~んは認めるのか。ここは突っ込まれても弁明できない。しどろもどろになる。「矛盾するのが人間です」で押し通すしかないだろう。

馬のヒヒーンは非常に良いと思った。ヒヒンも良い。ヒヒーンとヒヒンだと、ヒヒンのほうが好きである。ここは伸ばさずにいったほうがいい。馬にはブルッというのもある。ヒヒーンはいななきだが、ブルッは何なのか。鳴き声ではなく鼻息か。かなり渋い気がする。

書いているうちに、ブルッを褒めたくなってきた。このあたりは、自分のなかのツウぶりたがる欲望が悪さをしている。馬といえばヒヒーンだろうと盛り上がる場で、ブルッという鼻息の魅力をさりげなく評価してみたい。これはダメ。もっと素直に評価せねばならない。番付に自意識を持ち込むな。

次にウシとヤギである。モ~~〜は良い。メェ〜~~も良い。これは、どちらも伸ばせば伸ばすほど味が出てくるタイプの鳴き声だろう。「モ~」にはたいした魅力を感じないが、「モ~~~」あたりでじわじわと良さを感じはじめる。「モ~~~~~」までくると大好きである。しかし「モ~~~~~~~~〜〜〜」までいくと、多少やりすぎか。あざとさが強すぎる。このあたりのバランス感覚は非常にむずかしい。しかし、にょろにょろが付くほど魅力の増すタイプの鳴き声は確実にある。肺活量あってのもの。牛の体が大きくてよかった。

ワニ、カバ、カメなどは無口である。鳴き声がない。それは、鳴き声番付にエントリすらできないということだ。精進してほしい。

次に鳥である。ピヨピヨというのはよい。チイチイもよい。チッチもよい。カラスの鳴き声で「アホー」というのもあった。あれは被害妄想だろう。

ここで、すこし評価に困っているものを挙げてみたい。夏の終わりに聞こえてくるホーホー・ホホー・ホーホー・ホホーの声である。キジバトというハトの鳴き声らしい。ちなみによく公園にいるハトは「ドバト」で、それとは違うとのこと。しかし「ドバト」という響きを聞くたびに思うが、ひどい名前ですね、ドバト。

キジバトの鳴き声は、ホーホー・ホホー・ホーホー・ホホーである。これが妙に気になる。好きかと言われれば、好きではない。とても名曲とは言いがたいメロディだ。そもそも音域が狭いんだろうか。夏、この声をきくたびに「なんなんだよ」と思うんだが、それは単調で面白みのない歌をひたすら歌い続けるキジバトへの動揺の気持ちからだろう。普通、もうすこしバリエーションを付けたくなるものじゃないのか。

 ホーホー(→→)・ホホー(→→)、ホーホー(→→)、ホホー(→→)

これはちょっと、今の私の手には余る。ランキングでは選外とする。名盤というよりは珍盤という感じか。しかし意外と、こういうものが百年後に残るのかもしれない。その場合、私はゴッホを評価しなかった同時代人のように、あるいはカフカに見向きもしなかった同時代人のように、あるいはニーチェを狂人と片付けた同時代人のように、キジバトを単調と切り捨てた同時代人として百年後の人間に笑われるのかもしれない。それは仕方ない。こればかりは後世の評価を待つしかない。

番付確定

 1.パオーン
 2.モ~~~~~
 3.ニャッ
 4.メェ~~〜〜
 5.ヒヒーン

以上を2016年冬における動物の鳴き声番付としておく。上下の対称性にこだわったので、順位自体はそこまで重要なものではない。歯切れのよいニャッを真ん中に配置し、その上下にはのびればのびるほど魅力を増すモ〜〜〜とメェ〜〜〜を配置。最初と最後にパオーンとヒヒーンを配置して全体を引き締めた。なかなかのものだと自負している。またそのうちやる。