真顔日記

上田啓太のブログ

雨の連休は文豪でドラクエのパーティを組む

本日の京都は雨。

それで思い出したんだが、昔、唐突な雨に降られてカバンが濡れたことがあった。中には黒のメガネケースと夢野久作の『ドグラマグラ』を入れていたんだが、染み込んだ雨水でメガネケースの合皮が剥がれ、本の表紙に貼りついていた。あれは最悪だった。

というのは、ドグラマグラの文字が「ドグラマ」になっていたのである。ベギラマの出来損ないみたいになっていた。指でカリカリこすって落とした。本当に最悪だった。あの事件からしばらく、ドグラマグラという文字を見るたびにドラクエを連想していた。

余談だが、夢野久作はドラクエだったら絶対に魔法使いである。やたらとMPがある。無尽蔵である。派手な呪文もたくさん使えるし、ドグラマどころかドグラゴンすら使えるかもしれない。しかし、HPは低いから殴られるとすぐ死ぬ。夢野久作は後列に置いたほうがいいだろう。 

夢野久作 (文藝別冊)

典型的な魔法使い顔である。絶対に勇者ではない。しかし小説家というのは、どれも魔法使いみたいなものか。今、夢野久作を後列に置くなら誰を前列に置けばいいかと考えていたが、とくに思いつく名前がなかった。三島由紀夫だろうか。

三島由紀夫の見た目にはたしかに武闘家っぽさがあるが、生まれついての肉体派という感じではない。あくまで後天的な筋肉だろう。魔法使いから武闘家に転職した感じと言えばいいのか。ダーマの神殿で武闘家に転職し、ちからの種をバクバク食べて無理やり筋肉を手に入れた男、それが三島由紀夫である。

なんだか、だんだんどうでもいい話になってきた。私の書く話は基本的にどうでもいい話ばかりな気もするが、それにしてもこの流れのどうでもよさは我ながらすごい。三島由紀夫がちからの種を食べているから何なのか。食べてないし。

昔の小説家というのは大抵ジジイだから、魔法使いに見えてしまうのかもしれない。年を取ってからの写真が後世に残ってるだけなんだが、どうしてもイメージはジジイになる。たとえばトルストイなど完全に魔法使いである。大魔道士とすら呼びたいほどだ。絶対にレベル75はある。 

Complete Works of Leo Tolstoy (Delphi Classics) (English Edition)

マヒャドとか使いそうだ。ロシア寒いし。

ガリガリでひげもじゃの小説家が多いのが問題なのかもしれない。ドストエフスキーも大魔道士に見えるし、探しても探しても後列のコマばかり増えてしまう。もう魔法使いはいらん。あんなのはパーティに一人いれば十分だし、魔法使いしかいないパーティでは、長い冒険を乗り越えられるものではない。

そう思っていたら、バルザックの画像を見つけた。

Collected Works of Honore de Balzac with the Complete Human Comedy (Delphi Classics) (English Edition)

素晴らしい戦士っぽさだった。

こいつなら前列を任せられるとはじめて思えた。しかも三島由紀夫のような、ちからの種でドーピングした雰囲気もない。根っからの戦士であり、はがねの剣と鉄の鎧がものすごく似合う。バルザックを先頭に置こう。次に三島由紀夫を置いて、それから夢野久作で、最後はトルストイ。これでバランスの取れたパーティになる。

ちなみに馬車にはプルーストがいる。

Delphi Complete Works of Marcel Proust (Illustrated) (English Edition)

こいつは補助魔法ばかり使う。

とにかく敵を弱体化させようとするタイプの男だ。マヌーサで命中力を下げ、ルカニで防御力を下げ、ボミオスですばやさを下げ、さらにバイキルトとスカラでこちらの能力を限界まで上げてから攻撃する。味方も引くほどの性格の悪さ。ねちねちねちねち補助魔法をかける。

それにしても、この話は本当にどうでもいい。過去に類例のないほどにどうでもいいし、連休なのに他にやることないのかと思われても仕方がない。私の場合、そもそも連休など関係のない生活だから、普段からこんなことばかり考えているが。

雨の連休に文豪でドラクエのパーティを組む。金のかからない遊びと言える。ここまで費用は0円だし、今後も1円も発生する予定はない。みなさんもやってみればいい。自分のしていることを冷静に振り返らないなら、えんえん楽しめる。

最後にもう一人だけ。旅の途中まで馬車にプラトンもいたが、こいつは中ボスに石化させられて死んだ。

Six Great Dialogues: Apology, Crito, Phaedo, Phaedrus, Symposium, The Republic (Dover Thrift Editions)

くだらないですね。

小人閑居して、クソしょうもないことを考える。不善をなすよりはいいかもしれません。みなさんもやりましょう。