真顔日記

上田啓太のブログ

プリンタと三匹のネコ

ひさしぶりにプリンタを起動させたら、ネコたちがこれに大注目。音がするからだろう、普段は見向きもしていなかったのに、三匹そろって集まってくる。

「こいつ、動くのか!?」

そんな反応である。プリンタが「シュゴッ、シュゴッ!」と音を出すと同時に、三匹で取り囲む。一匹はプリンタに飛びのり、一匹は排出口の近くに頭を向け、最後の一匹は離れたところから見つめる。完璧なフォーメーションで、動きはじめたプリンタに立ちむかおうとする。

まあ、プリンタ側も悪いんですね。こいつ、いちいち大げさなんです。今回なんか請求書を一枚印刷するだけですからね。なのに「シュゴッ、シュゴッ!」は明らかにやりすぎというか、気合を入れすぎ。おつかい頼んだら肉体をいじめぬくハードなトレーニングを始められちゃった感じ。

ネコたちに見守られながら、印刷作業が始まった。かつて、これほどの視線を浴びながら印刷したことはないのではないか。排出口からジジジジ……と紙が出はじめると、面白いくらいにネコたちは身を乗り出す。「出てるぞ!? なんか出てるぞ!?」と、亀のように首を伸ばしている。

そして、とうとう一枚の紙がペロン!と出るんだが、その瞬間、本当に蜘蛛の子を散らすように、三匹同時にパーッと逃げていく。

いや、これ紙だから。

やばい野犬とかじゃないから。

このプリンタにやばい野犬を印刷する技術はないから。

しらけている私をよそに、遠くの物かげから三匹で、動かなくなったプリンタを見つめている。「こいつ、予測不能の怪物だぞ」みたいな、「とんでもない怪物がうちにいたぞ!」みたいな顔で。