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真顔日記

上田啓太がいろいろ書くブログ

スマホじゃなくて携帯と言いたい

日々と思考

「携帯電話」という言葉が「スマートフォン」に取って代わられつつある。すこし前なら携帯とか携帯電話と書かれていた文章で、今はスマホとかスマートフォンと書かれている印象だ。

これが私は嫌である。というのは、漢字からカタカナになってしまうのが嫌なのである。できれば携帯電話という言葉に生き残ってほしい。しかし厳しいだろうか。スマホという言葉は一時の流行で終わり、携帯電話に戻ってくれないものか。言葉の生態系というのは気まぐれだから、いまいち先が読めない。

今でも覚えているのが十年前、立ち読みしたメンズノンノの白黒ページに「イケメンという言葉は死語になりかけている」と書かれていた。だろうな、と当時の私は思っていた。「この言葉安っぽいもん」と。なのに現在もイケメンは生き残っている。読めない。

イケメンという響きには一発屋臭がぷんぷんしていた。それはもう、むせかえるような一発屋臭だった。それが現在も使われている。ポッと出の芸人だと軽く見ていたらいつの間にか帯番組のレギュラーMCになってたようなものだ。

だからスマホという馬鹿みたいな響きが十年、二十年と生き残る可能性はある。十年後も我々は、「イケメンがスマホ持ってる」みたいな表現を使っているのかもしれない。

私は携帯電話という四文字のごつごつした感じが好きだった。スマホという言葉は使うたびにフッと場の緊張がゆるんでしまう。カタカナはどうしても漢字より緊張感や重さがなくなりがちだろう。通信手段は漢字で書きたいのだ。

せめてもの抵抗として、「スマートフォン」を無理やり日本語化すりゃいいのかもしれないが、そうすると「賢者の電話」とかになってしまう。これはこれで妙である。完全にドラクエ的な響きである。スマホの場合は「持つ」だが、賢者の電話は「装備する」という感じ。たぶん終盤で手に入る。

賢者の電話を取り出して目的地までの道筋を調べるとなれば、使うのはグーグルマップじゃなく「ググルの地図」である。アイテム欄には「検索神ググルの力が宿ったふしぎな地図だぞ」と表示されることだろう。行き先もスターバックスではなく「星の洞窟」になるだろうし、飲むのは抹茶ラテじゃなく「薬草ラテ」である。

そうなると、フラペチーノはドリンクではなく、フラペ系の最上級呪文である。魔法使いはレベル3でフラペを覚え、レベル12でフラペチを覚え、レベル27でフラペチーノを覚えるだろう。そして初級のフラペは威力が低すぎて殴ったほうがマシ、中級のフラペチは雑魚戦が楽になるので最高、最強のはずのフラペチーノは燃費が悪く、その頃には強力な特技もいろいろあるから覚えたときの嬉しさのわりに全然使わないんだが、このへんで言っておくと、どうしてドラクエあるあるの話になってしまったのか。

携帯電話という言葉、生き延びてくれませんかね。