真顔日記

上田啓太のブログ

幻想水滸伝はトカゲのゲームではない

数年前、同居人が一時的に無職だったころ、『幻想水滸伝』というプレステのゲームにはまっていたことがあった。私が居間を通りかかると、確実にコントローラーを握っていた。

私はこのゲームのことは知らなかったんだが、画面をのぞきこむと、トカゲが二足歩行で歩いていた。なのでトカゲのゲームかと思ったんだが、同居人によればそうではなく、偶然、いまはトカゲばかり出ているんだという。ちょうどトカゲの国(本人談、詳細不明)を冒険しているところだったらしい。

しかし数日後、ふたたび居間を通りかかると、ストーリーは進んだはずなのにやはりトカゲが出てきていた。私は口をとんがらせ、「やっぱトカゲのゲームじゃんか」と言おうとしたのだが、一緒に暮らしていると心は読まれるものである。「やっぱ」まで言ったあたりで、

「なんでトカゲのときばっか来るの!」

と絶叫された。

同居人の説明によれば、幻想水滸伝というゲームは仲間になるキャラが非常に多く(百人以上いる)、その種類も多種多様、それゆえに人間だけでなく、二足歩行のトカゲも仲間になる。しかしあくまでトカゲは少数派であり、大半は人間だから、トカゲを操作するゲームだと思われるのは心外だ、とのことだった。

しかし、別々の日に画面を見てそのどちらにもトカゲがいたことは私に強烈な印象を残し、どうしても「幻想水滸伝=トカゲのゲーム」という思い込みは残った。すなわち、このゲームにおける幻想の要素はすべてトカゲが担っているのだろうと。タイトルに幻想の冠をのせることができるのも、トカゲが二足歩行で歩くからなのだろうと。

なお、三度目に通りかかったときは、すでにゲームをクリアし、エンドロールが流れているところで、百人以上いるキャラクターの顔とプロフィールが順々に流れていたんだが、途中でトカゲが三匹連続で流れてきたのでちょっと笑った。けっこうトカゲ仲間になってんじゃねえか、と思ったのである。同居人は、「ほら、これだけしかいないでしょ!」と得意気だったが。