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真顔日記

上田啓太のブログ

手足の短いネコに高いところから降りてほしい!

ネコというのは胴の長さのわりに手足が短く、それがカワイイという評判の一因になっていると思うんだが、影千代というネコは平均よりもさらに手足が短いようだ。

そう思ったのは、外を眺めていた影千代が、飽きたのかヨイショと窓際から下りてくる姿を目撃したからで、その時の手足の短さにわれわれは衝撃を受けた。

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どうもこのポーズは手足の短さが最も強調されるようなんですね。よく下の箱に届いたなと思わされる。今回は奇跡的に下の箱に届いたんだろうな、まぐれが最初に出ただけだろうな、次はもう無理だろうなと。

これが三十一歳女性のつぼを刺激したらしく、以来、影千代が高いところから降りるのを待望するようになった。「ちーちゃん、高いところから降りないかな」とか、「ちーちゃん、今日は一度も高いところから降りなかったな」とか言っている。

「あの写真はちょっとブレちゃってるし、画質もよくないし、今度はちゃんとしたカメラできれいに撮りたい!」

しかし、カメラを構えながら「ほら降りて! 今すぐ降りて!」とか言ってる姿を見ると、ほんとうにわけのわからん状況だなと思う。手足の短いネコに高いところから降りてほしいという謎の欲望。ずいぶん狭い欲望である。人間の欲望は多様なものであり、さまざまなニッチを埋めるように無数のサービスが生まれているが、手足の短いネコが高いところから降りるのを観覧するサービス(撮影可)は生まれていないだろう。

それに影千代のほうはムッとした顔をしているだけで、三十一歳女性の欲望をまったく理解していない。高いところに座って、ただムッとしている。「降りて!」の声にも無反応。この女は何を言っとるんだ、という対応である。それをカメラ片手に見つめながら、降りてくるのを今か今かと待っている。その目は完全にイッている。ものすごい女の家に居候しているんだと実感する瞬間である。

ちなみに、いまは亡き毛玉も手足の短いネコであり、以下のポーズをひんぱんに取っていた。

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この時も三十一歳女性は興奮して、「あががが…」と自我の軋む音を出していた。もちろん目はイッていた。たぶんこの女は、手足の短いネコに伸びをされると自我が崩壊するんだろう(どんな女だ)。