読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

真顔日記

上田啓太のブログ

クマンバチと三匹のネコ

庭をクマンバチが飛んでいた。毎年、この時期になると飛んでくる。飛行コースに入っているらしい。

なお、辞書によると「クマンバチ」は方言らしく、スズメバチのことを指す場合と、クマバチのことを指す場合があるらしい。私の言っているのはクマバチのほうである。というか、子供のころからずっとクマバチのことをクマンバチと言ってきた。なので以後、「クマンバチ=クマバチ」と思って読んでいただきたい。

さて、スズメバチと比べると、クマンバチの見た目はずんぐりしている。ふさふさした毛まで生えており、スタイリッシュさには欠けるといえる。朴訥な印象さえ受ける。スズメバチが女子にキャーキャー言われている横で、ボーッと立っていそうな雰囲気だ。

もっとも、これはスズメバチが格好良すぎるからで、最終的に結婚して幸せになれるのはクマンバチだったりする。スズメバチは平気で浮気しそうだし、人殺しにもあっさり手を染める。安定なんか糞くらえというタイプ。

まあ、私はハチと結婚する予定もないし、そもそも女子ですらないから、この話題はこのへんにしておくが、万一、ハチとの結婚を考えている女性がいたら考えてほしい。私のおすすめはクマンバチである。スズメバチとは一夜だけの関係にしておきなさい。

クマンバチの羽音を聞いて、わが家の三匹のネコが縁側に集まった。

ずらりと横に並び、網戸ごしに、ムッとした顔で見つめていた。ネコというのは、真面目な顔をするほどアホらしい印象を与えるものだが、今回がまさにそれで、三匹で顔を並べてクマンバチを見つめるさまは、非常にアホらしいものだった。

hati1

hati2

バックネット裏のスカウトマンじゃないんだから、そんな真剣にならなくてもいいだろうと思うんだが。

素振りの音で才能を見極めるように、羽音からクマンバチのポテンシャルを推し量ってんのかもしれない。「あの羽音、十年に一度の逸材…」「む、おまえもそう思うか…」みたいに。

あまりに熱心だったから、網戸を開けてやろうかとも思ったが、ネコとクマンバチでどちらが強いのかが分からんので、やめておいた。もちろん体格ではネコが圧倒的なんだが、刺されることを心配したんである。やはり、バックネット裏から見てるほうがいいだろう。スカウトマンだって、あんまり近くで見ていたら、素振りのバットで脳天をカチ割られるし。