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真顔日記

上田啓太がいろいろ書くブログ

アホを極める

ネコのはなし

アンパンを食べていたら、影千代とセツシが鼻をくんくんさせながら近寄ってきた。さっそくパンをちぎって床に投げてやる。しかし影千代は、グルメぶっているのか、二度ほどパンくずを舐めたあと、「なんか違うわ」みたいな顔で去っていった。

こうなると、食べている自分まで馬鹿にされた気分になる。たしかにスーパーの特売で二個150円だったが、この仕打ちはいかがなものか。ネコすら食わないパンを食べている男。褒められたものではない。

「ちーちゃん、どんどん贅沢になってるからね」

三十一歳女性は言った。もらってきた時には二キロ弱だった体重も今では七キロ近い。おまけに体毛も長いので、ええとこの坊ちゃん感は日に日に増している。もはや特売のアンパンなどで影千代の繊細な味覚は満足させられないということか。

さて、一方のセツシは完全な庶民派だから、アンパンのかけらで完全にテンションが上がった。床に投げてやった瞬間、小躍りして食べはじめる。こうなると人間としても嬉しいから、二つめ、三つめと投げてやる。すると、セツシはたった一匹で熱狂の渦を体現し、興奮しすぎたのか、パンくずを舐めながらゴロンと回転、そのままスムーズに自分のきんたまも舐めていた。その滑らかな接続ぶりに我々は度肝を抜かれた。

「あ! きんたま! ついでに舐めとこ!」

そんな感じだった。

三十一歳は呆れた顔で、「アホが極まってる……」と言った。

セツシ、生後三ヶ月にして、アホを極める。早熟な才能の登場を心から祝福したい。