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真顔日記

上田啓太がいろいろ書くブログ

鼻毛と上田と原始人

居候生活

 昨日の夜、鼻毛を切っていたら、三十一歳女性に「色気づいちゃって」と言われたんですが、これ、さすがに失礼すぎませんかね? 唐突な話で申し訳ないんですが、鼻毛を切るだけで色気づいたと言われるって、私はいったい何だと思われてるんですか?

 そりゃ、たしかに私は美容院にも行かないし、服もめったに買わないし、ヘアワックスなんてものも付けませんよ。だから、そういったところに興味を示しはじめたら、色気づいたと言われても仕方がない。

 事実、数年前、私は突発的にヘアワックスに興味を示し、一ヶ月だけ、やたらと頑張ったことがあった。あれは完全に色気づいていたし、色気づくという言葉の意味が分からない人がいたら、あの時の上田を指差してやればいいレベルではあった。

 しかし鼻毛です。鼻毛くらい私だって切りますよ。鼻毛が出たままの状態で外に出たことなど、ほとんどないと自負しています。この四年間、わけのわからない生活をしながらも、鼻毛は切ってたんです。

 現在の私は、鼻毛が出ていようが、社会的な地位が危うくなることはありません。すでに社会的な地位なんて皆無なんですからね。しかし、そんな状況でも鼻毛は切っていた。第一、いまは共用になっている小さなハサミ、これは元々、私が鼻毛を切るために持っていたもので、この家にある数少ない私の所有物なんだし!

「いや、悪かったって。なんか、上田はそういうの適当なイメージあったからね、つい言っちゃっただけだね、鼻毛は切るのね、たしかにあんま出てないよね、うん、悪かったよ、はい悪かった、ああ悪かった、悪かった」

 三十一歳女性はそうやって謝るんですが、まったく適当で、明らかに本心から謝っておらず、謝りながらもネコのアゴを撫で、謝罪とほのぼのを両立させる始末。

「いや、だからごめんって。まあでも、いいんじゃないの。鼻毛切るイメージすらないとか、原始人みたいだし」

「えっ」

 正直なところ、原始人を出されると私は弱いんですね。これは事実として、自分を原始人と重ねられると腰くだけになる。「あっ、そう?」とか言っちゃって、そこからは「いやいや原始人じゃないから! 現代人だから!」とか言いつつも、ほくほく顔なんですね。俺いま顔テカテカだろうな、小鼻ヒクヒクしてるだろうなと自分でも分かる。

 ここらへん、私の露骨な弱点です。原始人とゴリラにものすごく弱いし、そこに自分を重ねられた日には、まともにものを考えられなくなる。「え、誰が原始人ですか、僕ですか? ほんとに僕ですか? いや僕なんか全然原始人じゃないですよ~!」ってなってましたね。