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真顔日記

上田啓太がいろいろ書くブログ

夕飯はカレーライス

居候生活

今日はカレーライスを食べました。

小学生の絵日記じゃないのだから、もうすこしマシな導入はないものかと思うが、事実なので仕方ない。夕飯にカレーライスを食べた。発作的にカレーライスが食べたくなったからである。二十七歳の男にだってそんな日はある。

みなさんご存知かもしれないが、カレーライスにはカレーとライスが必要である。

ライスに関しては炊飯器で炊いた。米と水をセットしてスイッチを押すだけである。私の料理スキルは五歳児と同程度であるが、炊飯器という画期的な道具が全力でサポートしてくれた。現代文明とは素晴らしいものである。しかし肝心のカレーがない。レトルトのルーくらい家にあるんじゃないかと思ったが、どれだけ台所を漁っても見つからなかった。二年前に賞味期限の切れたしょうゆがあるくらいだった。

しばらく漁っていると三十一歳がやってきて、不法侵入者を見るような目でこちらを見た。

「ちょっと、なにしてんの?」

「カレー食べたい。ルーがない」

本当に、小学生じゃないのだから、もうすこしマシな返答はないのかと思うが、意味は伝わったようだった。三十一歳は真顔で言った。

「ないよそんなもん、買ってないんだから」

泣く子も黙る圧倒的な正論であった。

仕方なく二人で近所のスーパーに行った。途中、三十一歳女性が「カレーあったよ!」と言いながらパスタソースを指差すという小コントもあったが、我々はなんとか本物のカレーコーナーまで辿りついた。魅惑的なカレーが並んでいた。高価なものから安価なものまで、多種多様なカレーがそこにはあった。

「このハンバーグカレーっていうの、450円だって」

「レトルトで450円はすごいな」

「やっぱハンバーグ入ってるからかな」

「ハンバーグ入ってるからだろうな」

「このカレーも350円もする」

「100時間煮込んだって書いてあるぞ」

「やっぱ100時間煮込むと値段も上がるんだね」

「100時間煮込むの大変だっただろうしな」

「すごいね」

「すごいな」

その会話は引き伸ばされた金箔より薄かったが、我々はひとしきり盛り上がった。そして昨今のレトルトカレーの高級志向に驚嘆しつつ、88円のカレーを二つ買った。いちばん安いカレーであった。ハンバーグも入っていないし、100時間煮込んでもいなかったけれど、おいしかったです。