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真顔日記

上田啓太がいろいろ書くブログ

筋肉にうかれる男、冷静に処理する女

居候生活

三十一歳女性は情にほだされないというか、冷静というかシビアというか、そういったところがある。身内びいきをしない。それを実感する今日このごろである。

最近の私といえば過去最高に体重が増えており、もうヤセとかガリとか言わせないと、輝かしきマッスルへの第一歩を踏み出したと自負していて、鏡の前にたっては自分の肉体をニヤついて見ている状態であり、自分で言うのもへんな話だが、めちゃめちゃ自分を過大評価したくなる。人は状況が好転すると興奮状態におちいり、「これはもうとんでもない大変革がはじまっている!」などと考えがちなものであるが、三十一歳女性はそんな私に冷や水をぶっかける存在として機能しているのだ。

たとえば風呂上がり、腰にバスタオルを巻きながら、「どう、俺の肉体の変貌ぶり」という顔をしていても、三十一歳女性はタバコの煙を鼻から噴き出して顔をしかめるだけである。「すごく変わったね!」などとは言わない。こちらが「筋肉ついてきてない!?」と浮かれていても、灰皿でタバコの火を揉み消して静かに首をふるだけである。

自分では以前の状態を知っているから、すこし肉が増えただけで大喜びしてしまう。しかしそれは勘違いなのである。他人から見て分かるほどになるには、まだまだ肉を増やさねばならない。そういった意味で、三十一歳女性はへんな身内びいきをせず、距離をとって見てくれるから、参考になるかもしれない。三十一歳に筋肉がついたと言われれば、ほんとうに筋肉がついた証になる。

ちなみに、「どれくらい筋肉ついたらマッチョと認めるの?」と私がたずねた時、三十一歳はくわえタバコのまま無言でグーグル画像検索をしはじめた。数秒後、「ここまでいったらだね」と言って、パソコンの画面をゆびさした。そこには裸のブラッド・ピットがズラリと並んでいた。

ドーピングしても無理である。