真顔日記

上田啓太のブログ

カラオケでダパンプ欲を解消する

私にはJ-POPを曖昧に歌うという癖があるのだが、この二週間はダパンプが個人的ブームになっており、連日、バカのひとつおぼえみたいにダパンプを歌っていた。ダパンプのヒット曲を、うろおぼえのまま、分からないところは鼻唄でごまかして熱唱していたのである。

最初のうち、三十一歳女性は苦虫を噛みつぶしたような顔で放置していたが、すこしずつ我慢の限界が近づいていたようで、ある晩、シャワー中の私が一線をこえたボリュームでダパンプを歌ったことで、とうとうクレームをつけてきた。

「明日カラオケ行こう! だからダパンプやめて!」

三十一歳女性は非常に聡明な前歯であるから、クレームをつける際は代替案を出してくる。ダパンプ禁止令を出すだけではコイツは言うことをきかないだろうが、カラオケに連れていって思う存分ダパンプを歌わせれば家で歌うことはなくなるだろう。そう考えたわけである。

そのような経緯で我々はカラオケに行った。私のダパンプ欲を発散させるためのカラオケであり、二時間ひたすらダパンプを歌ってよいとのお達しが出たのだが、いざカラオケボックスに入り、ダパンプをいれてみると、まあこれが、全然歌いたくないんですね。これっぽっちも歌いたくないんです。はちきれんばかりだったはずのダパンプ欲が一瞬で霧散しておりました。

というか、マトモに歌えないんです。

カラオケに行って気付いたんですが、普段の私はダパンプを歌っているというよりダパンプの楽曲のサビの一部である「ドキューンズキューン」みたいなところを連呼しているだけだったようで、ダパンプ欲というよりドキューンズキューン欲とでも呼んだほうがいい代物だったようで、いざカラオケで歌うことになると曲の八割が分からない。メロディーも歌詞も分からない。

結果、親戚に連れられてカラオケにきた中学生のごときモジモジ具合を発揮しまして、AメロもBメロも歌わず、サビになると元気にドキューンズキューンと言い出すだけの生き物になっていました。ただそれだけの生き物でした。

ダパンプ欲を解消させるために二時間も部屋をとったはずが、最初の数分でダパンプ欲は霧消してしまい、あとは三十一歳女性がレディーガガを歌おうとして失敗したり、木村カエラを歌おうとして失敗したり、不毛なだけの二時間がつづき、我々のお盆は終わりました。先祖たちよ安らかに眠れ。