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真顔日記

上田啓太がいろいろ書くブログ

上田じゃない!! 大型動物のウンコだ!!!

部屋が寒すぎたので、布団にくるまってガタガタふるえていたら、三十一歳女性に写真を撮られた。三十一歳はうれしそうにケータイの画面をつきだして、

「あんた、ウンコみたいになってるよ!」

と言った。

寒さにふるえる人間をつかまえて、何の脈絡もなくウンコ呼ばわり。自由すぎるし、ひどすぎる。この女は何を言っているのか。あきれながら写真を見てみた。

そして愕然とした。

これは……

俺……茶色い毛布にくるまったばっかりに……

ウンコみたいになってる……!

三十一歳女性が、「ねっ、ねっ、ウンコみたいでしょ!?」と言った。

「たしかに……」と小声でこたえるしかなかった。

二十六年間、人間としてやらせてもらってきたはずが、こんな最低の形で人としての尊厳を踏みにじられるなんて……。

これは自分のはずだ。「茶色い毛布にくるまった上田」であるはずだ。なのに「大型動物のウンコですよ」と言われても納得してしまいそうな、このビジュアルはどうだ。

ウンコに見えない人もジーッと見てほしい。きっと、ウンコに見えると気づいて、「アハ!」とさけびたくなる瞬間がやってくるはずだ。茂木健一郎もショックで直毛になるような、最低のアハ体験ができる。

私は大型動物の尻の下が似合いそうな状態になっている自分を受け入れられず、

祈るようなきもちで、

「ウンコじゃない、俺はウンコになってない」とつぶやきながら、

この写真に自分の姿を合成してみた。

そしたら…

すごく、しっくりきてしまって……

「ウソだ、ウソだ……そんな……」とつぶやきながら、

カモシカの尻の下に置いてみたり、

ゾウの尻の下に置いてみたり、

めんどくさくなって大量に置いてみたり、

ひたすら合成しているうちになんだか楽しくなってきて、

「俺はウンコじゃない」と否定してるのがバカらしくなってきた。

「俺、ウンコじゃん」と開き直った。

「ウンコでいいじゃん」って、

「もともとクソ野郎じゃん。クソ野郎もクソも大差ねーだろ」って、

下のほうへ突き抜けた。

こんな冴えない馬の尻にもしっくりくる。

それがどうした。

俺はウンコだ。

さっきまでの俺はこんな顔してたかもしれない。

でも落ち込んでたって何も変わらないし、

今は笑顔で、「俺はウンコでーす!」って言える。

「ボクはサラブレッドになれないんだ…」

「元気をだしなよ」

「きみは……僕のウンコかい?」

「ちがうよ。上田だよ」

「上田はウンコに見えるね」

「茶色い毛布にくるまったばっかりに、ウンコになっちゃったんだ」

「そうか……きみも大変だね」

「別にいいさ、これからはウンコとして第二の人生を歩もうと思ってる」

「きみは……強いね……ウンコなのに……あかるいね」

「どんな姿になっても、前を見ていたいだけだよ」

こんなふうに、感動的な映画をでっちあげて遊ぶ余裕もでてきたんだ。

つまりさ、

人はウンコ同然の姿になっても、

笑ってれば楽しくなるからさ、

みんなも、そんな気分で生きていこうぜ!

辛いことがあった時は、この写真を思い出してさ……。

2011年2月8日 上田啓太