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真顔日記

上田啓太がいろいろ書くブログ

糞便の時代がやってくる

居候生活

ガシャポンにハマり、どんな動物が出るかに一喜一憂していたある日、突然の別れがやってきた。ガシャポンのラインナップが一新されたのだ。なんの前触れもなかった。本屋の前で立ち尽くした。慣れ親しんだガシャポンの姿はどこにもなかった。

かわりに、「プニョプニョうんこさん」とかいうガシャポンが置かれていた。カラフルなうんこが並んでいた。すべてのうんこに顔が描いてあった。百円入れると、赤青黄さまざまな色のうんこが出てくるようだった。わからない。動物のガシャポンを撤去してうんこのガシャポンを設置する、この世界の基準がわからない。

どのプニョプニョうんこさんも笑顔だった。それが余計に腹立たしかった。うんこ風情がヘラヘラするな。笑うことなど何もない。我々は百種類の動物を集めている最中だったんだ。今日から気持ちを切り替えて色とりどりのうんこを集めろと言うのか。大人をなめるのも大概にしろ。

「昨日は赤いうんこが出たけど、今日は紫のうんこが出たね」

そんなことを話しながら家路につく自分たちを想像した。めまいがした。カラフルなうんこを棚に並べて喜ぶには我々はいささか年をとりすぎていた。

動物フィギュアがうんこに敗北したという事実は我々を落ち込ませた。本屋だって悪意があってガシャポンのラインナップを変えたわけではないだろう。彼らにも生活がある。人気のないガシャポンは撤去して、売上の見込めるガシャポンに代える。単純なことだ。つまり世界はこう告げたのだ。動物よりもうんこが売れる、と。

暴走する資本主義は我々から動物のガシャポンを奪い、うんこのガシャポンを押し付ける。うんこに顔を描いて、うんこに色をつけて、うんこに値段をつけて売ろうとする。それが2011年という時代だ。二つの大戦を乗り越え、冷戦と軍拡の時代を乗り越えた我々に高度資本主義社会が提示した答えはうんこだ。笑えよ、人類。