ゆるふわガールより前歯女のほうがいい
2011/01/30
これまで31歳女性のことを前歯だなんだと書いてきて、げっ歯類と同じカゴにほうりこんできたけれど、ちょっと考えを改めた。もしかしたら、この女はスゴイ存在なのかもしれない。尊敬に値する前歯なのかもしれない。
態度が急変したキッカケはこうだ。
今日、わたしは靴下を買ってきた。3足で1000円のやつだ。みなさんもご存知のとおり、新しい靴下はめんどくさい。ちいさい金具とか、プラスチックのピンとかがついている。とくにあのプラスチックは厄介で、いちいちハサミを持ってこなきゃいけない。
ハサミを探しにいこうとしたときに事件は起こった。
31歳が靴下をとりあげて、前歯でプラスチックをブチィッ!!と噛みちぎったのである。
それは一瞬のできごとだった。目をまるくしているわたしを気にもせず、31歳は淡々とプラスチックを噛みちぎっていった。そして、3足すべてのプラスチックを噛みちぎると、ふぅ、と一息ついてから、「便利でしょ」と言った。
この瞬間、31歳は「げっ歯類」から「超人類」になった。
わたしはとてつもない女の家で暮らしていたのだ。こんなにも頼もしい女、ハリウッド映画にしかいないと思ってた。アンジェリーナジョリーからセクシーさを引いて前歯を足せば、31歳ができあがる。アンジーがどうした。こっちにはゲッシーがいる。
きっとこの女は無人島に漂着しても前歯ひとつで生きていけるだろう。前歯で木をけずり、前歯で植物を刈り、前歯で野生動物を狩る。前歯で石をカッカとこすり、火をおこして肉を焼く。前歯の出たロビンソンクルーソーがここにいる。きっと最後には、前歯で作ったイカダに乗って、ぶじに日本へ帰るのだ。
ちまたでは「愛されメイク」だの「ゆるふわガール」だの言われてるのに、ゆるふわの対極でたくましく生きるこの女の姿はどうだ。ゆるふわ愛されガールにプラスチックが噛みちぎれますか。無理でしょう、ゆるふわなんだから。ゆるふわガールなんて、ふ菓子すら噛みちぎれそうにない。
わたしはあふれんばかりの感動を31歳に伝えた。ツバをとばしながら伝えた。世界中がアンジーを選ぼうと自分はゲッシーを選ぶこと、前歯はアーミーナイフより役にたつこと、ゆるふわガールを見かけたら喉元に前歯をあててやればいいことを。
31歳は、「ぜんぜん嬉しくないし、意味もよくわからない」と答えたが、「まあでも、ゆるふわガールは嫌いだね」と言って、前歯をキラリと光らせた。
全国のゆるふわガール、いますぐ逃げろ。
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