鼻水まみれのクリスマス

クリスマスだかなんだか知らないが風邪をひいている。

鼻がどうしようもなくグズグズいっておる。現在の私、どの角度から見ても圧倒的に全方位的にただの病人、それ以外の何者でもない。

とにかく鼻水がとまらない。だから小部屋にいるだけで机の上にはクシャクシャのティッシュペーパーがうずたかく積まれていく。流れだした鼻水を処理するたびに山は巨大になってゆく。思春期の中学生ですら眉をひそめそうなティッシュ消費量になっているのだ。

居間に目をやれば31歳女性が鼻をグズグズいわせており、私と同じ状態になっておる。鼻を噛むチーン!という音だけが鳴り響く聖夜の夜。ジングルベルも糞もない。雨は夜更けすぎに鼻水に変わっておる。きっと君は来ない。

そんな中でネコだけが、ただネコだけが元気いっぱいであり、この家の『元気』を一身に背負っている。死にかけの成人男性と成人女性を尻目に、ニャアニャア鳴いて家の内部を駆け回っておる。31歳女性は風邪でボーとなりながらも、走りまわるネコを見れば弱々しい笑顔、「元気になったらまた遊んであげるからね」とつぶやきながら、チーン!と鼻を噛んでおる。

それがクリスマスイブからクリスマスにかけてのこの家の状態であり、サンタも靴下にエリエールを入れていきそうな無様な姿であった。今も風邪は続いている。頭がボンヤリしておる。なんとか年越しまでには治したい。鼻からネバネバしたものを出すだけの存在として新年をむかえるのは絶対にイヤである。

以上、こんなことを書いているあいだにもティッシュ山の標高は数センチ上昇している。おやすみなさい。

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新しい家族が増えています

おひさしぶりです。

唐突で申し訳ないのですが、みなさんにご報告があります。

数週ほど前から、この家に住んでいる生き物が増えております。

二体から三体になっております。

こんな生き物が住んでいます。

完全に、どう見ても、住んでいます。当然のような顔で君臨しております。

ご報告が遅くなってしまったことをお詫びいたします。ネコ飼いはじめました。真顔で飼いはじめました。現在、何年も前から飼っていたかのような顔で日々の生活を送っております。

飼うことになるまで色々な経緯もあったのですが、簡単に要約してしまえば、「31歳女性が拾ってきた」ということになります。本当はもうすこしややこしいので、それは追い追い書いていきます。

ネコが来てからというもの、この家は磯野家も凌駕するほどの明るい笑いに包まれており、31歳女性はまるで自分が股から生み落としたかのような溺愛ぶり。キャットフードはもちろんのこと、ネコ用トイレやネコ用遊具、ネコ用の皿にネコ用の毛布と、日を追うごとに家はネコ関連のモノで溢れていっております。

とりあえず、これを書いている現在も、私の足元ではネコがこんな感じになっておりまして、

スヤスヤ眠っておられまして、ダイナミックな寝相で熟睡しておりまして、正直なところこの隙だらけのアゴを撫でたくてしかたない。無機質なキーボードなんかよりもネコの肉球をさわりたい。滑らかな手さばきで心ゆくまでさわり尽くしたい。

そんなことを思っているわけでして、とりあえず今回は報告だけにさせていただきます。

なお、31歳女性は、このあいだ、ネコと戯れる私を見て、こんなことを言っておりました。

「長いヒモと短いヒモがいる……」

以上でございます。

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31 イイゼ!
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「イチャコラ」という言葉について

「イチャコラ」という言葉があるらしい。

意味は「イチャイチャ」と同じである。31歳女性が普通に使っていた。スーパーで男女の店員が楽しそうに話しているのを見て、「イチャコラしてるねえ」とつぶやいていたのである。

私はまったく知らなかった。人生27年、一度たりとも、イチャコラという単語が耳に入りこんだことはない。公衆の面前で恥ずかしげもなくベタつくカップルは幾度となく目にしてきた。しかし誰もそれを「イチャコラ」という単語ではあらわさなかった。「イチャイチャ」「ベタベタ」という単語であらわしていたし、純度の高い童貞は歯ぎしりで対応しておった。

31歳にとっては普通の言葉らしい。奈良の方言なのだろうか。本人は方言かどうかなんて考えたことがないようだった。日本全国、どこでもイチャコラで通じると思っていたのだ。関西全般で使われる方言だとしたら、京都や大阪に長く住んでいる私がまったく聞いたことがないのはおかしい。奈良限定ではないだろうか。

村の長老に意見をうかがうような気分で、グーグルに「イチャコラ」と入力してみた。一番目に出てきたのはヤフー知恵袋だった。どこかの誰かが「イチャコラとイチャイチャの違いは何ですか?」と質問していた。まさに求めていた問いである。ワクワクして回答を見た。

「50年生きていますが、イチャコラなんて言葉をつかったこともないし聞いたこともありません」

イチャコラ全否定。

50年生きてきた長老によって、完膚なきまでに存在を否定されておった。「ベストアンサー」というハンコが押されていたが、なにがベストなのかさっぱり分からなかった。ヤフー知恵袋のベストアンサーがベストだったことなんてこれまで一度もない。

長老には全否定されたが、他の検索結果を見てみると、31歳女性の完全オリジナルではないようだった。どこの方言なのかは分からなかったが、とりあえず、世の中には一定数、イチャコラという言葉を使う人びとがいるのだ。

みなさんもこれからはイチャコラという言葉を使ってみてほしい。「俺はイチャイチャ派!」「あたしはイチャコラ派!」なんてふうに、恋人とふたりでイチャコラすればいいのだ。恋人がいないなら歯ぎしりで対応すればよい。

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45 イイゼ!
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