真顔日記

上田啓太のブログ

aikoにとって言葉とは何か?

「あなた」の言葉が「あたし」の身体に侵入してくる。それがaikoの歌詞世界である。aikoにとって、言葉は器用に使いこなすことのできる便利な道具ではない。言葉があまりに強く肉体と結びついているからだ。『LoveLetter』の歌詞を見よう。 何度も何度も何度…

ゾンビとタフグミ

深夜のコンビニは人の思考を停止させるのか。それとも、たんに私の問題なのか。とにかく真夜中にコンビニに行く時の自分は非常にぼんやりしている。感情が茫漠としている。ほとんど死んでいるも同然である。そのありようはゾンビの近似値だ。 それゆえに、予…

歩きスマホの人間は、あかんぼのように周囲を信頼している

歩きスマホをする人々がいる。社会問題にもなっているようだ。しかし私には、怒りよりもおどろきのほうが大きい。何におどろくかといえば、世界への圧倒的な信頼感におどろくのである。私はあそこまで周囲のすべてを信頼できない。 とくにすごいのは、スマホ…

aikoとゴリラの雪どけ

ゴリラの問題は終わったと思っていた。それは過去のことだったはずだ。aikoとゴリラの綱引きは終った。私はもはやaikoとなった。それでよかったはずだ。しかし今ふたたび、ゴリラが問題としてせりあがってきている。aikoとゴリラの綱引きは終っていなかった…

おっさんは一つの様式

気づけば三十歳を過ぎている。同世代の男は少しずつ自分をおっさんと称しはじめた。しかし自分にはどうもおっさんとしての自覚が生まれない。ほとんど人に会わない生活をしていることも大きいんだろう。ひとりでいると年齢感覚がアップデートされないため、…

読んだことのない雑誌を読んでみる

前置き:今年の没原稿を供養しておきたい。内容とは関係のない事情でお蔵入りになった。雑誌読み放題サービスを使って色々な雑誌を読んでみるという企画。 * 未知の雑誌を読むことには、独特の楽しさがある。ふだんの自分の関心から遠ければ遠いほどに楽し…

ハンガーにかけられたコートは、なぜあんなに偉そうなのか?

はじめて意識したのは十八歳の時だった。一人暮らしをはじめた冬である。自分のコートをハンガーにかけて思った。なぜ、コートという衣類はこんなにも偉そうなのか? 衣類がここまで偉そうな態度を取ることがあるか? 正面から見たときの話である。ものすご…

サンタのしっぽをつかめ

誰の人生にも、サンタクロースが嘘だと気づいた瞬間があるはずだ。しかし私は思い出せない。いつのまにか、「サンタなんていないでしょ」という冷めた態度になっていた。「サンタいるでしょ!」から「サンタいないでしょ」への転換、この瞬間が絶対にあった…

初恋の記憶はパピプペポ

成人式に出席したとき、「未来の自分に宛てた手紙」を読む機会があった。完全に忘れていたんだが、小学生のころ、「二十歳になった自分に手紙を書こう」という企画があったらしい。担任の教師がしっかりと保管していたらしく、その場で生徒のひとりひとりに…

ヤセ型の男を見ると人は予言者になるのか?

私はヤセ型の男である。十代で体型が定まって以降、ほとんど体重に変化がない。骨格も華奢である。肩幅のせまさと、手首のほそさがポイント。あちこちで「細いねえ」と言われながら生きてきた。そんな私の経験で言うと、人は、ヤセ型の男を見ると予言者にな…

野生の勘よりグーグルマップ

最近はまったく道に迷わなくなった。日常的にネットを使う環境にあるからだろう。スマホを出せばその場で道を調べられるから、迷いようがない。これは地味にすばらしいことかもしれない。というのも、私はいわゆる方向音痴というやつで、以前はひんぱんに道…

「アイプチで白目をむく」という現象について

高校時代のクラスメイトに、やたらと白目をむく女がいた。背の低い女子で、目が小さく、それをコンプレックスにしており、毎朝がんばって二重にするべくアイプチをするんだが、その影響で、喋っていると唐突に白目をむいてしまう。本人も自覚していた。 あの…

マンガ喫茶バイトの思い出

マンガ喫茶でバイトしていたことがある。あの仕事はよかった。すばらしく暇だった。何をすることでもなく一人でカウンターに立っていることが多かった。「労働」と「ぼんやり」の境界線が溶けてゆくのを感じていた。 想像がつくと思うが、マンガ喫茶では、客…

なぜ十代の頃はあんなに徹夜していたのか?

なんだかんだで徹夜をしなくなった。年をとると徹夜がキツくなるなんて話を、むかしは他人事のように聞いていた。十代後半から二十代にかけて。しかし三十歳をすぎた今、たしかに徹夜はつらい。意味もなく夜更かしなどしたくない。夜は眠るための時間だ。 そ…

最近の仕事まとめ2018年春

最近の原稿仕事をまとめておきたい。定期的にこういうことをしたほうが絶対にいいからである。まとめをさぼるのはよくない。ということで、今年の一月から四月にかけてブログ以外に書いていたものをまとめます。よろしくお願いします。 GINZA まず、GINZAの…